@article{oai:dmu.repo.nii.ac.jp:00002009, author = {久保, 正子 and 薦田, 烈 and Masako, Kubo and Takeshi, Komoda}, issue = {2}, journal = {獨協医科大学看護学部紀要, Bulletin of Dokkyo Medical University School of Nursing}, month = {Mar}, note = {本研究では,死別による悲嘆について概説し,精神的な問題を理解することで,震災復興や精神的ケアの重要性を述べた.悲嘆のプロセスモデルには,精神的打撃と麻痺に始まり希望に終わる9 段階モデル,・正常な悲哀過程の7段階モデルがあり,プロセスを経てやがて回復していく.悲嘆が強く病的な経過をたどると複雑性悲嘆に至り,様々な身体的・精神的症状を呈するようになり,悲嘆からの回復を妨げる要因となる.先行研究による災害や事故・事件からの家族での複雑性悲嘆の有病率は,9.11 アメリカにおける同時多発テロで43%,事故や殺人で,21.9%,親族以外の災害・事故事件などで2.4%であった.災害などで故人と関係性の深い家族などを喪失することによる複雑性悲嘆の有病率がきわめて高い.高齢者の複雑性悲嘆の有病率は,4.8%との報告があり,一般成人の2倍という高率である.特に”女性の高齢者”,”子どもを亡くした母親”は,複雑性悲嘆の発症のハイリスクのため注意が必要である.悲嘆が及ぼす身体的症状では,心肺組織系統,消化器系統,神経系統すべてに及び,睡眠障害,食欲低下,アルコール中毒や薬物中毒,心身症などがある.喪失後,13か月後に心疾患,高血圧,自殺念慮,24 か月後に,アルコール依存症,心疾患,自殺念慮,否認,これらの状態悪化が認められた.また,6 か月後から24 か月後に心疾患,がん,頭痛,インフルエンザなどに罹患率の増加が挙げられている.震災後,転居や仮設住宅に移住し,慣れない周囲の環境の変化から引きこもりがちとなり,周囲との人間関係が希薄になっている人もいる.周囲との孤独感からアルコール依存症や,自殺を引き起こしたり,問題が見えにくくなってくる可能性がある.新しい避難地,または仮設住宅において新たなコミュニティーを作り上げ,社会的ネットワークの強化の必要性がある.}, pages = {147--155}, title = {自然災害がもたらす複雑性悲嘆}, volume = {5}, year = {2012} }