@article{oai:dmu.repo.nii.ac.jp:00000624, author = {阿部, 七郎 and Abe, Shichiro}, issue = {3}, journal = {Dokkyo journal of medical sciences}, month = {Oct}, note = {少子高齢化が指摘されて久しい我が国は,世界に冠たる長寿国である.国民の平均寿命がのびるにつれ,介護医療を要する高齢者が激増し,それを見守ってゆくべき若年者の人口は伸び悩み,今後我が国は"手のかかる年寄り"でいっぱいになってゆく構図がみてとれる.命が終わるぎりぎりまで健康に過ごし,「死ぬ時は苦しまないでコロっと逝きたい」と願うのは多くのヒトの望むところであろうが,循環器疾患,殊に心血管疾患では若年での突然死も珍しくなく,まだ若いのにもかかわらず,突然の心血管疾患発症の後に生き残ったとしても,最も忌むべき後遺症に苛まれながらの人生を送るヒトも少なくない.外傷や災害では年齢を問わず偶然性もあろうが,循環器疾患の場合には,近年の生活習慣病の増加にともなう心血管疾患の急性発症の増加により,主に40歳から60歳くらいまでの社会を担う世代がポックリ死んでしまったり,あるいは苦しんだあげくにコロっとは逝けないのである.約30年前の日本の救急医療の黎明期には,急速に増加した交通外傷への対応に主眼が置かれていた.戦後の欧米化生活習慣が定着した後, 1980年代になりその反動のように心血管疾患が増加し,これに対する我々医療サイドの努力の結果,冠疾患への緊急冠動脈バイパス技術やカテーテルインターベンションの進歩,緊急時ペースメーカー治療,大動脈バルンパンピングなどの循環補助ディバイスの積極的導入が容易なものとなり,近年の救急医療の主眼は高度外傷救急,心血管救急,災害医療へと主だってきている. 2006年3月から2007年4月までの期間,獨協医科大学救命センター病棟に入院した825症例中,循環器疾患は271症例, 32.8%であった.しかしこれは病室までたどりついた患者の数といえる.循環器救急の特徴は患者が死亡するまでの時間が短いことにある2006年5月から2007年4月まで当院ERに救急搬送された1,376症例のうち来院時心肺停止CPAOAは106例であった.そのうち原疾患不明のものが79例(75%),原因があきらかに心血管疾患と診断されたものはわずか8例(8%)であった. CPAOA症例は心肺停止に至った状況が明らかでない場合や,一度も心拍再開できなかった場合など原因が特定できないことが少なくない.発症から数秒間のうちに心停止へと進む瞬間死の原因の98%が循環器疾患であり, 1時間以内の死亡の85%が循環器疾患であると言われている.故に当院へ搬送されたCPAOAにおいても,原疾患不明例の大部分が循環器疾患であったことが予想される.であるなら瞬間死しようとしている命の大部分をいかに引き止めるかが循環器救急の本懐であると言える.本稿では循環器救急の最大の関心である心停止とその原因の大部分を占める急性心筋梗塞に関して他科の医師や看護師の日常臨床の一助になるべく解説したい., 特集, Special Edition}, pages = {299--308}, title = {循環器疾患(<特集>救急疾患の診療の実際)}, volume = {34}, year = {2007}, yomi = {アベ, シチロウ} }